
東京都台東区の防災会社「トラスト・メンテナンス」代表の遠藤様と奥様にお聞きしました。
お二人はご夫婦でいらっしゃいますが、お二人とも点検士さんでいらっしゃいますか?
遠藤 はい。でも妻は事務系が多いです。また、女性のスタッフをまとめてくれています。
点検に出向かれる中で、そのビルの中に居る方、例えばテナントさんであったり、そこに住んでおられる方であったり、出かけてこられたお客さんであったりしますが、もう少しこうしておけば良かったのでは?というようなことはありますか?
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遠藤 オーナーさんにとって、消防設備点検にかかる費用は、負担でもあるのでしょうが、やはり半年に一度点検を実施しているビルと、1年、3年に一度点検しているところでは、機器の状態に差が出ています。ホコリや湿気をおびていたりして、機器の中などに影響が出ています。
わかりやすく申しますと、コンセント等でも放っておくとホコリがたまってトラッキング現象等が起こって、火災の危険があったりしますね?それと同じようなことが機械の中でおこっているわけです。機械をメンテナンスして長く使うのと、点検等のメンテナンスを延ばしながら機械の寿命を縮めていくのか。
それぞれの価値観でしょうけど、設備をやりかえるとなると数十万だとか数百万円かかるわけですから、定期的なメンテナンスを行い、常に正常に動く状態を保ち、かつ、長く使うのが良いと思いました。
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そうですね。ビルの価値も維持できるのでしょうね。 |
遠藤 きちんと点検していれば、消防の方からもちゃんと管理しているんだなと思ってもらえますしね。自分が借りるのであれば、やっぱりちゃんとケアされているビルが良いですしね。消防設備だけでなく、水まわりなど他のことでもメンテナンスできていてほしいですね。
以前、風俗系のビル等で、避難器具をはずして窓も一面ブロックで全部埋めてしまっている点検依頼がありました。消防署から避難経路をとるようにと指導がはいり、避難器具をつけ直す改修工事に何百万もかけて避難経路を作らなければなりません。三ヶ月以内に改善できなければそのビルは営業停止になるそうです。
オーナーさんなどが、そういうことを知らないで改造してしまうケースもあるわけです。また、ビデオ屋さんでも、窓を棚で埋め尽くしていたケースがありました。消防署には倉庫として届出しているところをイベント会場として使っていたりして、これも危険な感じでした。
女性スタッフが点検の際に危険を感じたことはありますか?
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奥様 それは無いです。いろんな方がいらっしゃいますけどね(笑)。マンション等で、前もって鍵を預かってお留守のお宅等に入る場合があるんですが、入る前に何度かベルを鳴らしたりするんですが、実際入室すると下着一枚で寝ていたりすることがあるんです。
ごそごそっと動くので「点検させていただきます」というと「どうぞ、していってください」といった感じなんです。
遠藤 男性の場合は、中に入るとそんな感じだと困るので、入る前に大声で「入りまーす」と5回くらい声をかけるようにしています。鍵を預かるのは、前もって承諾をいただいた方だけなんですけど。
その下着で寝ていた方は、(点検を拒否しない分)防火に対する意識はおありなんですね?
遠藤 そうですね。(笑)一方、拒否する方ですが、こういう人は災害にあってみないとわからないのかもしれないですね。火災に限らず、ですけど。家で寝タバコを吸う人でも、「自分は大丈夫だろう」なんて思って吸っていて、火事を起こしてしまったりしますし。防災に対する意識が低いのだと思います。オーナーさんを始め、点検を拒否するような人達は、(自分と火災とを)分けて考えてしまっています。
実際に災害にあった場合は、かえってそういう人達ほどわれ先にと逃げようとするのではないかって想像してしまいます。
私たちは、何かの災害に備えて、一週間分の人数分の食料と水を入れた避難用具まで備えています。そういうふうに、皆が災害に対して意識を持っていただきたいと思います。
先日も、近所のマンションで火災報知機が鳴って大騒ぎだったんですが、防火管理の資格を持っているっていう管理人さんも、機器の使い方をお分かりになってなかったです。ベルが鳴っているからそのうち消防車がやってくるというように思われていたようでした。自動通報装置は一般のマンションにはついてないですから、キチンとわかっていてほしいです。セコムさんも到着に40分かかりました。火が出ていれば、しっかり燃えることのできる時間ですよね。
報知器が鳴っても処理の仕方がわからないというのは問題で、消防も管理者に対してもう少し厳しくしてほしいですね。
非常ベルが鳴ってどういうわけか119番でなく110番に電話かけたから警察が来ちゃったというケースもありました。それだけ消防というのは意識が低いように感じます。
何かあったら110番。救急車は119番というような感じで。
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点検した物件で「実際に火事になってしまった」という建物はありましたでしょうか? |
遠藤 男性一人暮らしの寝タバコで、三時間燃えて中の温度は1600度。それは大変でした。中の人は影のようになってしまっていました。火災報知機は設置されていませんでしたが、隣の人が壁が熱いのと煙に気づいて、発信機を押してベルで通報したんですね。
最近の建物は隣には延焼しないようにできていますが、そのビルは特にしっかりした建物ですし、住民も協力的で普段からも訓練しているような意識の高いマンションだったんですが、各戸に火災報知機が無かったため、本人が気づくことがないまま亡くなってしまったんでしょうね。
火災などは自分だけでなく他人にも関係することなので、もっと厳しくしても良いように思いますね。日々、テナントビル等で防火管理者はこれだけは知っていて欲しいということはありますでしょうか?
先程も話しましたが、発信機を押せば消防がくるんだよね? とか思っている人には防火管理者になっていて欲しくないですよね。最低でも、消防署に連絡くらいはしてほしいです。また、消火器で初期消火ができるので、せめて消火器の使い方くらいは知っていてほしいと思います。
ありがとうございました。
(インタビュアー:松谷葉子)
【インタビュー先情報】
名称「トラスト・メンテナンス」
住所 〒110-0003 東京都台東区根岸5-23-8-904


